ここでは特に木工で一般に使われる電動工具であるテーブルソー・昇降盤の危険についてお話します。知れば知るほど怖い話です。

テーブルソー・昇降盤で怪我をしない安全な使い方はあるのか?

テーブルソーと昇降盤は基本的に同じものと言っていいですが、昇降盤の軽便なものがテーブルソーと表現してもいいかなと思います。

大きな違いは鋸刃の出し入れの方法と刃の数です。
昇降盤は読んで字の如く定盤を昇降させて鋸刃を出し入れします。従って鋸刃の出によって定盤の高さが違ってきます。

対してテーブルソーは鋸刃の方を動かして出し入れします。なので定盤(作業面)の高さは一定です。

刃の数というのも変な言い方ですが、昇降盤のほうは通常200Vのモーターを使いVベルトで動力軸を回して軸の両端に鋸刃を付けます。というわけで2枚の刃があります。

右側の刃は普通はホゾ取などに使います。

木工仲間が次々に指を切断していきました。
何十年ものベテランがやるのです。
初心者は怖いと思って緊張しているのか意外とやりません。

何を隠そう、かく言う本人もやりました!

材が暴れ出したら離してしまえと教えられていたのですが、つい押えてしまいました。
それで材は飛んで行って指が鋸刃と言っても溝切刃を付けていましたが、材が無くなった刃の上に落ちたのです。

最初に親指に当たりその衝撃で手が回転して薬指、中指、人差指の順にやられました。

痛いというよりかなにかに殴られたようなガンッといった衝撃でした。

幸いにも縦の削ぎ切りでしたので指は無くなりませんでしたが薬指の第一関節の五分の一と中指の爪を縦割りして人差し指の先っぽの骨はワークと一緒にどこかに飛んで行ってしまい3週間も入院してしまいました。

怖いキックバック

これは大きめな板をカットする際に真っ直ぐに押せればいいのですが、ちょっとでも斜めに押すことになるとガイドとの間に挟まっていとも簡単に弾き飛ばされてしまう現象です。
大きな板がアッという間に弾かれて宙に舞っています。

両面拘束は危険

前に使っていたある外国メーカーの取説(ビデオ)にこの危険な使い方が紹介されてました。
ビックリしました!

一般にリップフェンスに押当てながらマイターゲージで押していってると思いますが、実はこのやり方が危険なのです。

これは刃とリップフェンスとでワークを挟む形です。するとチョットのことでこじることになり動きが拡大してアッという間に暴れることになってブッ飛びます。

両面拘束ではなく片面拘束にして片側をフリーにしておけば、フリー側に力が逃げますのでこじることにはならずキックバックは起こりません。

例えば細長い板を横切りする場合は、リップフェンスは使わないで、ケガキ線をチップソーに当てて寸法を合わせマイターゲージに固定してゲージを手前に引いてスイッチを入れてカットします。

すると片側には何もないのでキックバックも後述のピッチングマシンも起こりません。

普通は横切り用の治具を使います。

安全な使い方と真逆なピッチングマシーン 怖い!

上記の自分の事故とも関係していますが、テーブルソー・昇降盤で細い材を切り出す時に鋸刃とリップフェンスとの間の細く切った材が切り終わった瞬間にあたかもピッチングマシンのように凄い勢いで飛んで行ってしまうことがあります!

細い棒状の加工治具で押えておかなくてはいけないのですが大きめの材を両手を使って押して行く時などは治具を持つ手が足りません。手がもう一本欲しいところです。それ故に加工する時は射線(鋸刃の延長線)上に立つなと教えられます。

GIZMOのパネルソーキットのユーザーさんの中にもテーブルソーでこのピッチングマシンの恐怖に会った方がいまして、飛んでいった小片が窓ガラスをぶち抜いたそうです。それで怖くなってテーブルソーは廃棄してパネルソーに替えたそうです。

筆者であるカモジーが聞いた話です。ある木工所で作業していた当人は射線を外していたのですが、切り出した細い材が飛んで行った先に人がいたのです。お腹に当たってその時はなんでもなかったのですが、翌日に亡くなりました。内臓破裂だったそうです。

またこんな話もあります。昇降盤の作業中になにかにつまづいて回転している鋸刃の上に倒れこんでしまいました。それも顔面から!それで亡くなりました。

とにかく昇降盤・テーブルソーは物凄く危険です。というより、危険の真っ只中にいると言ってもいいです。大袈裟なと思われるかもしれませんが本当です。

作業は常に鋸刃に向かって材(ワーク)を押していくのですから当たり前と言えば当たり前なんです。

後の後悔を先に立てる安全な使い方は?

木工仲間に何故もっと強く言わなかったのかと後悔しています。
だから後の後悔を先に立てることにしました。それでこんな事を書いています。

当たり前なんですが、指が無くなった自分を想像できないんですね。
間違いなく全員が「自分は怪我しない」と思ってます。で、怪我するんです。

労災の事例にも死亡事故を含めて数多く載っています。
やってみて初めてわかるのですが、やってからでは遅すぎですよね~

で、「テーブルソー・昇降盤で怪我をしない安全な使い方はあるのか?」という問いへの答えですが・・・

刃に向かって材を押すのは基本的に安全なやり方ではありません!

安全のためにはテーブルソーを使わないことが一番です。が、それでも使いたいと言う向きには

  1. 鋸刃ガード・割刃などの安全装置は取り外さない
  2. 両面拘束は避ける
  3. 自動送り装置を取り付ける
  4. 押治具を使う

最低これくらいの事を実行すればかなりの怪我を防ぐことができると思います。

安全装置の中でもかなり究極的と思われるSAW STOP

どうしてもテーブルソーが使いたくて。これからテーブルソーを購入しようとされている方は下の動画のような安全装置を備えたものにすることを強くお勧めします。

指一本に〇十万円払うか考えてみてください。

あらゆる機械装置は故障します。それ故GIZMOジーサンは開発者のように自分の指でテストする勇気はありません。

自分はもはやテーブルソーは使いませんが、どうしても使わざるを得ないならこのようなものにします。

ちなみに私はこの会社の回し者ではありません(笑)

これよりもさらに安全なやり方は・・・?
あるのです!

機械に触らなければいいのです。

離れていられることの安全優位性

パネルソーの半自動運転によって機械から離れていられることはケガ防止の上からとても重要なことです。なにしろケガのしようがありません!

機械から離れていられることのメリットは

1 怪我ができない
2 目・耳・鼻・口へのダメージが少ない
ことです。

また、刃に向かって材を押して行くいく時の緊張感・ストレスから解放されます。
これは大きい。穏やかな気持ちでカット作業に向かえます。

欧米のテーブルソーを使っている動画を見ると大抵はイアーマフを付けて安全メガネを付けてマスクを付けています。とても重装備です。

安全衛生のためには大事なことですがイアーマフも長く装着していると耳が痛くなるなど相当に鬱陶しいですね。
音の大きさは距離の二乗に反比例しますから離れていることは耳へのダメージが少なくなり難聴の予防に大変役立ちます。

また、鼻や口など呼吸器へのダメージも離れていれば軽減されます。目への粉塵による影響も無視できません。

マスクは最近は全国的に慣れてきてはいるとは思いますが・・・

まとめ

材を刃に向かって押していくのは基本的に安全なやり方ではありません。

後の後悔を先に立てるには、材に刃を押していくことです。
例えばスライドソーやパネルソーのようにです。

テーブルソーや昇降盤を使う時はくれぐれも注意して指を無くさないようにしてください。